ゲノムひろば2004 in 京都

主催:文部科学省科学研究費特定領域研究ゲノム4領域(旧特定領域)

後援:京都府、京都市、京都府教育委員会、京都市教育委員会

ゲノムセミナー 講師・タイトル・プロフィール

講演:「生命誌とゲノム」

中村 桂子
(JT生命誌研究館 館長)

略歴

1936年東京生まれ。東京大学理学部化学科、同大学院生物化学専攻博士課程修了。理学博士。三菱化成生命科学研究所社会生命科学研究室長、人間・自然研究部長。生命誌という新分野を提案、生命誌研究館を創設し副館長。2002年館長。早稲田大学人間科学部教授、大阪大学連携大学院教授も。著書に「生命科学から生命誌へ」「生きもの感覚で生きる」共著に「ゲノムを読む」ほか。

要旨

生きているってどういうことだろう。誰もが考えることではないでしょうか。すぐには答は出ませんが、だからこそ考えるのが面白く、私はそれを考え続けています。そんな中でゲノムと出会いました。そして、共通の祖先を持つ生きものが多様化しながらこの地球上で40億年もの間続いてきた過程は、生きものたちが自らのゲノムを読み解きながら演じてきた歴史物語 - 生命誌だということに気づきました。ゲノムが語る長い長い生きものの物語の中の一幕をお話します。

中村 桂子
研究報告:「線虫ゲノムから探る動物の発生のしくみ」

杉本 亜砂子
(理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター チームリーダー)

略歴

東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。米国ウィスコンシン大学マジソン校博士研究員、東京大学大学院理学系研究科助手等を経て、2001年より現職。線虫をモデル系として、動物の発生プログラムの遺伝子レベルでの解明に取り組んでいる。

要旨

動物の中で最初に全ゲノムが解読されたのは、シノラブディティス・エレガンスという土の中に住んでいる線虫の一種です。そのゲノム情報の解析から、姿かたちは私たち人間とは似ても似つかぬこの線虫が、遺伝子レベルでは私たちと共通した部分を実はたくさん持っていることがわかってきました。それぞれの遺伝子がいつ・どこで・何をしているのかを調べることによって、動物全体に共通した発生のしくみが解明されつつあります。

杉本 亜砂子
研究報告:「細胞シミュレーションとメタボローム解析」

冨田 勝
(慶應義塾大学 環境情報学部 教授)

略歴

1985年カーネギーメロン大学コンピューター科学部博士課程修了。同大助教授、準教授を経て現在は慶應義塾大学環境情報学部教授及び同大学先端生命科学研究所所長(兼任)。米国立科学財団(NSF)大統領奨励賞(1988)、産学官連携推進会議・科学技術政策担当大臣賞(2004)などを受賞。

要旨

生体や細胞の振る舞いを理解するためにはコンピュータシミュレーションが不可欠です。そしてシミュレーションを行うためには、ゲノム解析で得た遺伝子機能情報のみならず、細胞内の多数の代謝物質を高速に分析する「メタボローム解析」が不可欠です。本セミナーではITを駆使した最先端のバイオサイエンスについて紹介します。

冨田 勝
研究報告:「ゲノムを調べて病気の原因に迫る」

辻 省次
(東京大学大学院 医学系研究科脳神経医学系専攻 教授)

略歴

医学部を卒業以来、一貫して神経内科の診療を基盤に神経難病の克服に向けた研究を展開している。1980年代に大きく発展した分子遺伝学的研究手法を用いて、神経難病の病因の解明、そして、治療法の確立を目指している。

辻 省次
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