ゲノムひろば2006 in 東京

主催:文部科学省科学研究費 特定領域研究ゲノム4領域

後援:東京都教育委員会

ゲノムセミナー

11月4日(土)13:00〜15:00
丸ビルホール&コンファレンススクエア7F・ホール

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講師・タイトル・プロフィール

研究報告:「脊椎動物のゲノム進化の歴史‐コンピュータをつかって推定しよう‐」

森下 真一
(東京大学 大学院新域創成科学研究科 情報生命科学専攻 教授)

略歴

1983年東京大学理学部情報科学科卒。理学博士。
1997年から東京大学において計算機をつかったゲノムの分析を行っています。
著書に「知識と推論」「Large-scale genome sequence processing」 ほか。

要旨

2001年にヒトゲノムが解読されてから今日に至るまで約10種の脊椎動物のゲノムが解読されてきてきました。これらのゲノムをコンピュータを使って慎重に比較してゆくと、7億年近くにわたって脊椎動物ゲノムが進化してきた痕跡が見えてきます。この痕跡から7億年間のゲノム進化の歴史を丁寧に推定してゆくロジックを紹介します。

森下
研究報告:「植物を通して地球を考える」

田畑 哲之
(かずさDNA研究所 副所長)

略歴

1983年京都大学理学博士の学位取得後、カリフォルニア大学、京都大学化学研究所、名古屋大学理学部を経て1994年かずさDNA研究所に移籍。現在は同研究所副所長。
専門は植物およびバクテリアのゲノム構造、機能解析。

要旨

21世紀は環境の時代といわれています。65億を超える私たち人類が地球に負荷をかけ続けた結果、食料、エネルギー、土壌環境、大気環境、温暖化など数多くの問題が顕在化しつつあります。これらの問題は植物の働きと密接に関わっていることから、私たち人類の将来は品種改良による植物の機能強化にかかっているといっても過言ではありません。そして、ゲノム研究が、植物改良の救世主となることが期待されています。

田畑
研究報告:「女の病気、男の病気:ゲノムからわかる病気の成り立ち」

井ノ上 逸朗
(東海大学 医学部基礎医学系分子生命科学 教授)

略歴

鹿児島県生まれ、鹿児島大学医学部卒業、生化学を専攻し医学博士を取得。その後、アメリカのユタ大学に留学、人類遺伝学講座で高血圧遺伝解析に従事する。群馬大学助教授、東京大学客員助教授を経て、東海大学医学部教授に就任。生活習慣病などありふれた疾患のゲノム解析から病気の原因と成り立ちを研究している。

要旨

ヒト全ゲノム配列決定を受けて「ゲノム」が生命科学のキーワードとなっています。ゲノムは生命の設計図といわれG, A, T, C塩基配列の組み合わせで成り立ちます。また女性と男性では性染色体に違いがあります。そして塩基配列の違いが病気に結びつきます。女性に多い病気、男性に多い病気が知られています、例えば、慢性関節リウマチは女性に多く、痛風は男性に多いです。しかしながらこれらの病気に性染色体が関与しているという積極的な証拠はありません。今回は男女差のある病気をゲノムから包括的に捉えることで病気の成因に迫ってみたいと考えています。

井ノ上
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