ゲノム談議
11月19日(日)13:30〜15:30
百周年時計台記念館1F・百周年記念ホール
ヒトゲノムの完全解読が2003年に発表されてから3年が経ち、ゲノム研究は新しい段階に入りました。ヒトについては、多数の人のゲノムを解析し、ゲノムの多様性と病気のなり易さの関係等を調べる研究が進んでいます。300種以上の多様な生物のゲノム解読も終了し、医療・生活・環境などの広い分野で産業応用が進み出しています。
こうした時代背景の中、「ゲノム談議」では気鋭のオピニオンリーダーをゲストに迎え、最前線に立つ研究者を交えて、ゲノム研究の時代的意義・社会的課題について自由闊達に語り合います。
京都会場のテーマは主として2つ。
1つ目は、「遺伝か、環境か」という古くからの問いに、現代のゲノム研究は何を教えてくれるのか。動物行動学とゲノム科学の両方から考えます。
2つ目は「社会とのコミュニケーション」。研究者と市民の対話をどのように活性化するか。メディアや研究者の役割等、様々な観点から議論します。
いずれについても、議論がどう展開するかは当日のお楽しみです。(山縣然太朗)
パネリスト
日髙 敏隆(大学共同利用機関法人人間文化研究機構総合地球環境学研究所 所長) | |
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1930年東京生まれ。東京大学理学部動物学科、同大学院で、動物学を学び、卒論、博論は昆虫のホルモンの研究。1961年理博。早くから動物の行動に関心を抱き、のち東京農工大学、京都大学などで昆虫やいくつかの哺乳類、魚類などの行動の研究。動物行動学の視点から人間の文化、教育などについても関心をもっている。 講演 :「遺伝的プログラム」なるものをめぐってモンシロチョウの卵は、ちゃんと育つとチョウになる。しかもモンシロチョウという種のチョウになり、けっしてモンキチョウにはならない。その発育の道筋もきまっている。つまり遺伝的にプログラムされているのである。このプログラムを作っているのは、特定の遺伝子ではなくて、遺伝子の集団としてのゲノムである。そしてそのプログラムが具体化されていくのが、生物の発育である。そういう視点から、遺伝子とかゲノムとかいうものを考えてみる必要があるのではないか? |
元村 有希子(毎日新聞 科学環境部 記者) | |
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1989年、九州大学教育学部心理学専攻卒業、毎日新聞入社。2001年から現職。日本の科学技術を人材育成の視点から検証する連載「理系白書」(2002年〜)取材班キャップ。06年5月、第一回科学ジャーナリスト大賞を受賞。 |
宮川 剛(京都大学 大学院医学研究科 先端領域融合医学研究機構 助教授) | |
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1993年東京大学文学部心理学科卒業。博士(心理学)。理研BSI・研究員、米国・国立精神衛生研究所・研究員、バンダービルト大学・助教授(研究)、マサチューセッツ工科大学・主任研究員を経て現職。遺伝子・脳・行動の関係について研究を行っている。 |
加藤 和人(京都大学 人文科学研究所 / 大学院生命科学研究科 助教授) | |
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1961年京都生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。 |
進行
山縣 然太朗(山梨大学 大学院医学工学総合研究部 教授) | |
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1958年4月3日、山口県生まれ |