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[先進ゲノム支援成果公開]大人の脳に存在する神経幹細胞はどのように作られるのか?一生にわたり維持される幹細胞ができる仕組みの解明

東京大学大学院薬学系研究科の原田雄仁特任助教、川口大地助教、後藤由季子教授らの研究グループは、胎生期の神経幹細胞の分裂抑制により、Notch-Hey1 経路が活性化することを見出しました。さらに、Hey1 が安定した発現様式を示すことで、分化遺伝子の発現を持続的に抑制し、起源細胞の形成・安定維持に貢献することを発見しました。この研究は、一生維持される神経幹細胞が形成される初めのステップを明らかにしたものであり、精神・神経疾患の発症機序の理解や、幹細胞を利用した脳の損傷に対する治療に繋がることが期待されます。本研究成果は、日本時間 2021年11 月 12 日付で米国科学誌 Nature Communications に掲載されました。

プレスリリース:
https://www.f.u-tokyo.ac.jp/topics.html?page=1&key=1637044142

Yujin Harada, Mayumi Yamada, Itaru Imayoshi, Ryoichiro Kageyama, Yutaka Suzuki, Takaaki Kuniya, Shohei Furutachi, Daichi Kawaguchi, Yukiko Gotoh. Cell cycle arrest determines adult neural stem cell ontogeny by an embryonic Notch-nonoscillatory Hey1 module. Nature Communications 12, (2021). doi:10.1038/s41467-021-26605-0