2012年8月29-30日に、「ゲノム支援」拡大班会議と全体会議を開催しました。

 2012年度のゲノム支援拡大班会議を、8月29-30日に246名の参加を得て御殿場にて開催しました。御殿場高原ホテルを中核とする御殿場時之栖リゾート内のホテルに全員が宿泊する合宿形式として、全ての生命科学の基盤であるゲノム科学を共通の糸として多彩な生命科学分野の研究者が交流する場となりました。拡大班会議は、過去3年間(2010-2012年度)の公募支援課題に採択された研究者と支援担当者が参加する会議ですが、今回も各課題の若手共同研究者1名の旅費をゲノム支援事務局で負担することにより、若手研究者の参加を促し、他分野との交流の機会を提供しました。

班会議2012 会場 ゲノム支援側からのレクチャーでは、最近導入した第三世代の塩基配列解読装置に関する講演(「PacBio Rsシーケンサーを用いたゲノム解析」と「PacBioを用いたゲノムアッセンブリ」)、ますます重要性を増しているゲノム情報解析に関する講演(「ゲノム情報解析支援−東工大の取組みー」と「遺伝研スーパーコンピューターとそれを活用するためのシステムの紹介」)、間もなく公開できる(日本人)「ヒトゲノムバリエーションデータベースの紹介」とELSIユニットが主催した「研究倫理審査のための研修会報告」の6題の講演を通じてゲノム科学の最新情報を提供しました。

 メインのポスター発表では、公募課題と情報解析支援班から合計148題の発表がありました。昨年度採択課題のポスター内容を短時間(紹介3分+質疑2分)の口頭セッションで紹介することでポスターセッションの活性化にも努めました。二部構成のポスターセッションは懇親会後の開催となりましたが、夜遅くまで活発な討論が展開されました。

 今年も支援担当者と依頼者が支援結果や支援の方向性等の打ち合わせができる会議室を確保し、参加者に自由に使っていただきました。

 2日目は、支援の具体的な成果が見えてきている課題の中から6課題を選び、支援成果報告をいただきました。それぞれの分野で着実に成果が出ており、間もなく論文投稿ができるレベルにまで研究が進んでいることが報告されました。
リゾートのリラックスした雰囲気の中で、基礎から応用までの様々な分野の生命科学系研究者が交流して、明日のゲノム科学を切り開く熱気に満ちた会議となりました。

班会議2012 ポスター会場 2日目の午後は支援班員だけによる全体会議を開催して、5年間のプロジェクトの後半に向けての取組の強化について話し合いました。公募支援課題の研究者からのご意見等を元に改善すべき点は改善することとし、2015年度以降の次期プロジェクトへ繋げる視点からの意見交換を行いました。

 ゲノム支援では、ゲノム解析拠点の整備と公募課題の支援を通じて、最先端の情報・ノウハウの提供により、ゲノム科学のすそ野拡大とピーク作りに努めてまいります。