公募説明会で寄せられた質問およびその回答

支援申請について

Q1.科研費の繰越予算が年度途中で終了する場合、その年度の先進ゲノム支援には応募できますか。
補助事業完了時期が年度途中の日付になっているということかと思います。
科研費課題の研究期間が継続している限り、先進ゲノム支援への応募は可能です。
Q2.若手研究の発展のために今回応募させていただきたいと考えております。若手研究ですので、本科研費の研究者には分担者がおりませんが、本支援の研究は研究代表者だけではなく、共同研究者と実施をしたいと考えている場合、新たに分担者を追加することは可能でしょうか?
先進ゲノム支援の申請にあっては分担者という概念はありません。「科研費課題の代表者もしくは分担者」のかたに申請頂ければと思います。申請にあたっては、例えば、ゲノム支援で産出されたデータを、共同研究者である情報解析の研究者が解析担当される場合、その方のお名前等を申請書に書いて頂くとより具体的と思います。
Q3.科研費の代表者が申請しようと思いますが、代表者は遺伝解析を専門としていないため、ヒアリングの際は科研費分担者である遺伝解析担当の者もヒアリングに同席することは可能でしょうか。
可能です。
Q4.研究代表者がゲノム科学の専門家でなく、主宰する研究室の学生がゲノム解析を中心に行なっている場合は、ヒアリングに参加可能ですか?
可能です。
Q5.応募に関しては機関承認は必要ないのですか。
必要ありません。
Q6.採択傾向のスライドで、科研費研スタ課題の採択がほとんどないように見えたのですが、実際のところどのくらい採択されているのでしょうか?
研究活動スタート支援は申請数は少ないですが、特に採択率が低いということはありません。2024年度の採択は0、2023年度の採択数は2です。ホームページでは過去の採択課題一覧をご覧頂けます。
Q7.大型予算に紐づいたものの採択率が高いように思いました。採択されている科研費の(予算)規模は申請課題の審査に影響するのでしょうか?
採択科研費の予算規模が直接、課題審査に影響を与えることはありません。申請内容にも依存しますので審査委員の判断に委ねられます。
Q8.学振特別研究員奨励費のB区分で新規ゲノム解析を申請していましたが,B区分が通らなかった場合,申請書に新規ゲノム解析に直接言及してあったとしても,先進ゲノム支援の対象となるでしょうか?
学振特別研究員奨励費のA区分に採択されているのであれば、支援申請することは可能です。
Q9.内定頂いた場合の8月の二日間のオリエンテーションの内、どちらかが参加困難な場合は申請は難しいでしょうか?またオンライン開催でしょうか?
2日間のどちらかに出席頂ければ結構です。オンライン開催です。
Q10.「不慮の事故等」により、必ず成功するとは限らない、とのことでしたが、実際に、成功しなかった原因が不慮の事故・失敗の場合は、再度やり直しの解析依頼をできるのでしょうか?
支援側に原因がある場合は、可能な限り再解析を実施させて頂きます。
Q11.科研費の当初の計画にないが、研究の経過からシーケンス解析を行いたい場合、支援を受けることは可能でしょうか?
可能です。
Q12.科研費申請当初はVisiumやVisiumHDを想定して「空間トランスクリプトーム解析を行う」と科研費申請書類に記載しました。しかしその後、Xeniumでの解析が望ましい状況になり、今回Xeniumでの支援をお願いしたいのですが、これは科研費の研究内容そのままと見なされて支援の対象外となるのでしょうか?
Xeniumで解析することで、科研費課題がどのように発展するのかを申請書に記載頂けると良いと思います。
Q13.科研費課題によく関係する近縁2種の新規ゲノム解析を申請した場合,予算の兼ね合いで1種のみの新規ゲノム解析として採択されるといったことはありますか?それとも両種ともの解析が不可能な場合は不採択となりますか?
審査委員の判断に委ねることになりますが、1種のみの解析でも成果が期待できる場合は不採択の理由にはならないと思います。
Q14.昨年度支援を受けてVisium HD解析を行いました。解析してみると、おそらく遺伝子の滲みが原因で、うまく遺伝子発現を分類することができませんでした。レファレンスとなるシングルセル解析を追加で行いたいのですが、今年度追加のシングルセル解析で申請することは可能でしょうか。
昨年度の状況をまとめていただいて、シングルセル解析が必要かつ、昨年度のデータもより活用できるという点を申請書にご記載いただければ、申請頂くことは可能です。
Q15.2つの科研費課題に代表者として採択されています。それぞれに対して合計2つの異なる依頼を申請すると、2つとも採択していただける可能性はあるのでしょうか?それとも、1代表者につき1課題だけが先進ゲノム支援を受けられるという制限はあるのでしょうか?より先進ゲノム支援で解析していただきたい研究内容を絞って1つだけ申請した方がいいのでしょうか?
複数課題の採択を特別排除することはありません。一方で、限られたキャパシティを有効に活用するためには過度な集中を排除する必要が生じることをご了解下さい。
Q16.規模的に多過ぎない計画であれば、1つの課題で、所持データの解析依頼と新たな試料からのシークエンスどちらも含めた申請をすることは可能でしょうか?
可能です。
Q17.1つの科研費採択課題で、関連する先進ゲノム支援とモデル動物作製支援の両方に申請することは可能でしょうか?
可能です。
Q18.技術的困難性 (実現可能性)の評価はどのようにされますか?簡単なものであれば民間の受託支援と差別化できないと思うので、ある程度困難性は伴うと思うのですが。質問としては、申請者はどのようにその技術的困難性 (実現可能性)の情報にアクセスすれば良いでしょうか?例えば、先進ゲノム支援の担当者との打ち合わせは可能なのでしょうか?もしくは実施予定機器の技術者との打ち合わせが良いのでしょうか?
技術的に困難であるかどうかは、審査委員および支援班員により判断することになります。ヒアリング時に打合せて頂くことになります。
Q19.先進ゲノム支援は、来年度も今年度と同程度の規模で課題募集予定でしょうか?
来年度も今年度と同様に支援を実施する計画ではあります。

倫理・ABS

Q20.同意撤回文書については、同意書に「随時撤回可能で、撤回しても本人が不利益を被らないこと」が記載されていれば問題ないでしょうか。
申請の際には現在承認済みの倫理審査書類をご提出下さい。支援課題として採択された場合、先進ゲノム支援側で倫理審査書類を確認し、必要に応じて修正等を提案します。
Q21.ヒト検体の使用について、これから倫理申請予定です。5月13日(申請締切日)までに承認が間に合わない場合でも課題申請は可能でしょうか?
所属機関の倫理審査委員会に今後申請する研究課題の場合は、申請予定の書類を添付することで「先進ゲノム支援」への支援申請が可能です。なお、支援開始は倫理手続き完了後となります。
Q22.ABSについて。他国由来の細胞で、その国内でシークエンスをおこなったデータを所持しています。情報解析のみの応募の場合、どのように対処したら良いでしょうか?
シーケンスデータの国外持出を許可されたかどうか、現地の大学等と共同研究契約をされているかどうか、など、個別の要素が強くここで適切に答えることができません。申請時に詳細を記載頂ければ、ABSに関しても審査させて頂き、ヒアリング時に詳細を伺わせて頂きます。また先進ゲノム支援と直接リンクしていませんが、遺伝研のABS支援室(https://idenshigen.jp/)等に相談して頂くことも可能です。
Q23.ABSについてですが、初耳なのですが、海外からAAVウイルスをいただいて手元の細胞に発現させて解析する場合には、ABS対応が必要ですか?
ABS対応が必要かどうか一概に申し上げられませんので、申請時に詳細を記載下さい。ベクター等研究材料の場合はMTA等で対応可能な場合もあるかと思います。また先進ゲノム支援と直接リンクしていませんが、遺伝研のABS支援室(https://idenshigen.jp/)等に相談して頂くことも可能です。

支援内容について

Q24.新規のゲノムアセンブル(ショートリード、ロングリード、Hi-C)を考えていますが、この場合、支援依頼者側はどのステップ(DNAの調整、ライブラリー調整など)までの準備が必要なのでしょうか?具体的にお教えいただけますと幸いです。
申請者側で問題なく調整できる場合は、申請者側で調整し送付いただきます。申請者側での実施が困難な場合は、支援側でDNA抽出から担当することも可能です。また、Hi-C解析も組織・細胞から対応可能です。詳細はヒアリングで協議し支援内容を決定することになります。
Q25.ChIP-seqやATAC-seqなどのライブラリ作製の過程は、どの程度支援していただけるのでしょうか?特にChIP-seqは、ライブラリ作製までが一番難しくてノウハウが必要かと思いますが。
ご自身でライブラリ作製が可能な場合は、ライブラリでお送りいただきます。ライブラリ作製が難しい場合には、IP済みDNAまたはトランスポゼース処理したDNAをお送り下さい。その旨、申請書にはご記載下さい。
Q26.snoRNAの発現量と修飾の解析を行いたいのですが、ロングリードシークエンスでの解析支援は可能でしょうか?
Direct RNA seq解析をされたいということでしたら、poly-Aが付加されている必要があります。snoRNAにpoly-A付加したサンプルをお送りいただくようにさせていただいております。
Q27.アノテーションを作成する場合、トランスクリプトームの情報が必要とのことでした。作製するアノテーションの品質を高めるためには、複数個体のサンプルにおける複数の体組織領域のトランスクリプトーム情報が必要になるように感じました。例えば、脊椎動物のゲノムアノテーションを作成する場合、トランスクリプトーム情報のために必要となるサンプル数や体組織領域の種類などは、申請書作成の段階で決めておく必要がありますでしょうか?それとも、支援決定後のヒアリングの段階で固めていく流れになりますでしょうか?
アノテーション用と割り切るのであれば、複数組織から採取したRNAを混ぜていただいたもので大丈夫です。ただ、発現量解析などにも用いたいのであれば、組織ごとに行う必要がありますので、組織数(サンプル数)など申請時に記載をお願いします。
Q28.ゲノムサイズが10Gbを超えるような生物のゲノム解読を行いたいと考えています。このサイズだけ見られて、実現不可能と判断され、落とされてしまうのでしょうか?
そのようなことはありません。もう少し大きなゲノムサイズのものでも支援実績はあります。
Q29.scRNAseqおよびATACseqのN数はどのように考えて申請すべきでしょうか?まずは素人ながらN数を先行研究から申請し、実際にはヒアリングでの調整になりますでしょうか?
真に必要なサンプル数で申請頂ければと思います。ヒアリング時に支援させて頂くサンプル数を調整させて頂きます。
Q30.ヒト検体のRNAseqなどについて、新鮮検体は搬送等での品質低下が懸念されますが、送付して解析をお願いすることはできますか。
セルバンカー等に入れてお送りいただいて解析することは可能です。搬送での品質低下は当然考えられますので、凍結融解の品質低下(死細胞の増加等)を事前に確認いただいております。
Q31.シングルセル解析について質問です。
scRNA-seqやscATACsecなどが主な解析内容と記載してありますが、メチル化解析などのその他の解析は可能でしょうか?また、ライブラリ調整などについても支援いただくことは可能でしょうか?
現状、シングルセルでのメチル化解析についてはかなり高度な解析であると考えます。特別な機器を使用しないような系であれば、採択後、共同研究として、一緒に実施させていただくということは可能です。申請書にはどういった系を想定しているのか具体的にご記載下さい。
Q32.ヒト組織を採取して空間トランスクリプトーム解析に併用する形でscRNAseqをかけたい場合、生の検体をそのままお送りすることは可能なのでしょうか?RNAseqに関しては各研究室で可能な限りシークエンスをかけて行うことになるのでしょうか。
scRNA-Seqにおいて組織は研究者の先生ごとに多種多様なため、シングルセル化または核化までの条件検討、実施はお手元で行っていただき、シングルセル・核の状態でお送りいただくようお願いしております。採択後、組織のディソシエーションに関してご相談頂くことは可能です。なお、生の検体をお送りいただくことは想定しておりません。
Q33.レパトア解析を組み合わせたシングルセル解析をマウスのリンパ節で行う内容での申請を考えています。マウスのサンプル採取が関西で実施される場合、東京まで研究者自身で当日中に細胞懸濁液を搬入することになるでしょうか。事前例があれば教えていただきたいです。
新鮮なまま解析拠点までお持ち込みいただくことも可能です。CellBanker等で冷凍状態での送付(ドライアイス)も可能ですし、実施例もございますが、融解した際に細胞生存率がある程度良いことを事前にご確認いただければと思います。詳細はヒアリングでご相談ください。
Q34.HPのトランスクリプトーム解析の説明に「small RNAやnon-coding RNAなどを含むRNA-seqデータを用いた遺伝子発現情報やRNA編集などの解析を実施します。」とありますがこちらは基本的にショートリードでの解析支援となりますでしょうか?
一般的にはショートリードで解析を行っておりますが、それ以外をご希望の場合は、その理由と具体的な系を申請書にご記載いただければ、対応可能な場合もあります。
Q35.空間オミックス解析をお願いする場合、データの解析を行っていただくことは可能でしょうか。大量のデータを自分で解析しないといけないのでしょうか。
空間オミックス解析と同時に情報解析もご相談いただくことは可能です。
Q36.いくつかのシステムを使用したプロテオーム解析支援の例もあったかと思います。フォローできなかったのですが、網羅的なプロテームの解析が可能な支援は、どれにあたりますでしょうか?
Olink Revealという系で約1000種のタンパク質の解析が可能です。血清・血漿などから解析を行っております。
Q37.Olink Revealでは、細胞由来のタンパクの網羅的計測は可能でしょうか?実施可能な内容は、通常のプロテオーム解析と同等と考えてよろしいでしょうか?
細胞培養上清の解析は可能です。濃度を測定後、濃度を揃えて提出いただく必要があります。Olink Revealは絶対定定量ではなく、NPX値という半定量値が出力されます。
Q38.AVITI24では、三次元培養細胞の解析は可能でしょうか?
まだできません。Element社で開発中とのことですが、今期の支援には間に合わないと思います。
Q39.Spatial ATACについては、空間的解析の依頼のカテゴリーに含まれますでしょうか?
空間的解析のカテゴリーに含まれますので申請いただけます。
Q40.空間トランスクリプトームのVisiumは、基本的にはHDなのでしょうか。
ヒト・マウスであれば基本的にHDとなります。希望があればV2での解析も可能です。その他の生物種の場合はV1での解析になっております。
Q41.空間オミックス解析を検討しているが、私が解析対象としている動物・組織が具体的にどの機器(例えばXeniumかVisumかCosMxか、など)が最も適しているかの判断がつかない。このようなことは申請前、または申請後?に相談させていただくことはできますか?
ヒアリングで技術審査として相談いただくことは可能です。系によって検出できる遺伝子が異なりますので、科研費からの発展性をどのように考えるのかという点を考慮するには、ある程度、事前に検討していただくことが望ましいと考えます。
Q42.情報解析支援につきまして詳しく教えてください。
新たにシーケンシング等の支援をするのではなく、お手元にあるシーケンスデータ等の情報解析を支援する枠組みです。
Q43.すでに取得済みのシングルセルデータの情報解析をお願いする場合、どの様な形式のデータがあれば良いでしょうか。
Cell Ranger処理後の出力ファイルをご用意ください。なお、取得から非常に時間が経っている場合、FASTQファイルを入力としてCell Rangerで処理し直す必要があるかも知れません。
Q44.新規ゲノム配列決定に際して、シーケンスデータから配列を構築する情報解析をお願いするとともに、将来的に申請者が解析ができるようになることを目的に、申請者の方でもシーケンスデータからの配列構築を試みて適宜アドバイスをいただくことは可能でしょうか。
可能です。
Q45.情報支援を希望しておりますが、将来的には自分の手で情報解析を行えるようになりたいとも考えております。情報解析講習会ではなくOJT方式での解析支援は具体的にどのような支援方法によるのでしょうか?
OJT方式では、情報解析担当者のところに赴いて頂き、情報解析担当者の指導のもと、実際に先生のデータを使ってご自身で解析を進めて頂きます。