公募支援に関するFAQ(2024年度公募版)

申請資格についての質問

Q1.支援の対象となる科研費採択課題とは、これから申請する内容でしょうか? あるいは既に採択されている内容でしょうか?
2024年度公募の先進ゲノム支援対象は、2024年度科研費新規採択課題および2024年度も研究期間が継続されている科研費研究課題です。公募締切日までに科研費に採択されていない研究課題(現在申請中の研究課題を含む)は対象になりません。
Q2.2024年度が最終年度の科研費の場合も申請可能ですか?
年度内に結果をお返しできるような支援内容であれば申請可能です。
Q3.採択されていました科研費は本来昨年度の3/31で終了予定でしたが、研究費の繰越申請をし、今年度もこの研究費で研究を継続しています。このような場合も申請は可能でしょうか?
研究課題の補助期間の延長あるいは補助金の繰越をされている場合、年度内に結果をお返しできるような支援内容であればその課題で先進ゲノム支援に申請していただくことは可能です。
なお、支援採択候補課題となった場合には、最終決定の前に、補助事業期間延長承認書あるいはそれに準ずる書類をご提出いただき、研究期間延長が確認できた場合のみ支援課題となります。
Q4.当該科研費課題の研究協力者ですが、申請資格はありますか?
研究代表者あるいは研究分担者からの申請を受け付けており、研究協力者(従来の連携研究者を含む)には申請資格はありません。
Q5.応募資格が、今年度文部科学省・科学研究費補助金に採択されている研究課題となっておりますが、これには学術振興会特別研究員の研究も含まれるでしょうか?
特別研究員の方で特別研究員奨励費を受けている場合は、申請は可能です。
なお、特別研究員(DC)のかたが採択候補となった場合は、ヒアリング時に、研究の独自性(本人の独自の考えに基づいた計画か)について重点的に確認します。また、DCの方には教育的見地からOJT(On the Job Training)なども含め申請者本人にできる限り支援内容に直接関与をしていただく方針です。「Q36.本年度採択された場合、データ産出にあたり学位審査の時期は考慮頂けますか?」もご参照ください。
Q6.「特別研究員 (DC) の方には教育的知見からOJTなども含め申請者本人にできる限り支援内容に直接関与をしていただく方針です。」とありますが、直接関与とは具体的にはどのようなことをするのでしょうか。
特別研究員(DC)における研究は、ご本人が主体となり進める研究であるべきと考えています。しかしヒアリング等でお話を伺ってみますと、ご本人の研究課題であるにもかかわらず、残念ながらご自身の研究への理解が不足しているということが少なからずありました。教育的な見地からも、DCの方ご本人が主体的に研究に関与して頂くことが重要と考えています。OJTも歓迎いたします。ヒアリングでもこの点を確認させて頂きます。
Q7.厚生労働科学研究費補助金の課題は、先進ゲノム支援に応募可能でしょうか?
厚生労働科学研究費補助金の課題は対象になりません。
Q8.複数年連続して支援を申請してもよいのでしょうか。
支援の結果が新たな支援課題を生むことはありますので、複数年など連続しての支援申請は可能にしています。一方で、できるだけ広く支援するために、同程度の評価の場合は新規申請者を優先していますのでご了解ください。また、支援回数がさらに重なってきますと、支援希望内容にもよりますが、審査においては共同研究等も活用して自立いただくべきとの判断になってきます。
なお、申請の際には、前回支援との違い、その進捗状況、について申請書に明確に記述していただく必要があります。
Q9.第1期で採択された支援課題について今期も継続希望ですが、応募者・科研費が変更になる場合は新規課題という形になるのでしょうか?
先進ゲノム支援では継続支援という形式はとっていないため、応募者・科研費の変更の有無に関わらず、新たに支援を受ける場合にはその都度、すべて新規に申請頂く形をとっています。
過去に関連課題で支援を受けられている場合(今回とは応募者や科研費が異なる場合)は、申請書の過去の支援実績欄に関連課題についてもできるだけ記載をお願いします。
Q10.支援申請を行う内容が科研費の研究計画に含まれていることは必要ですか?
支援申請を行う内容が科研費の研究計画に含まれていると、計画の範囲でできることになり、支援は不要という判断になります。当初の研究計画と密接に関連していて、当初計画を大きく発展させる内容であることが求められます。
なお、「先進ゲノム支援」活動による支援を想定した研究計画を申請して科研費に採択されたとしても、自動的に「先進ゲノム支援」の支援対象となるわけではありません。この点ご留意ください。
Q11.一つの科研費から、サポートをお願いしたいような2つの課題(アイディア)が出てきた場合(例えば、Illumina リシーケンスが向いている課題とLong-Read のアセンブルが適切そうな課題)、申請書はどのように書いたら良いでしょうか?(2つに分けた方が良いでしょうか?)
同一の科研費課題に基づく場合、申請はできるだけ1つにまとめて頂ければと思います。支援候補課題となった場合、ヒアリングで支援内容を確定する事になります。
なお、希望審査区分が大きくかけ離れる内容を含むなど、どうしても1つの申請にまとめることが難しい場合は、1つの科研費を基に複数の申請を行うことも可能です。
Q12.科研費の申請課題で、特許申請を予定している場合、申請は可能でしょうか?
可能です。

支援制度についての質問

Q13.通常の学術変革領域研究の公募研究とは何が違うのですか? 研究費の配分があるのでしょうか?
「先進ゲノム支援」側が解析を行います。その支援課題の公募ですので、通常の公募研究とは異なり、研究費の配分はありません。また、試薬代の支援(kitの送付なども含む)をするものではありません。
Q14.支援を受けるにあたり、経費の自己負担はあるのでしょうか?
支援経費は先進ゲノム支援で負担しますが、できるだけ多くの支援をするために支援依頼者に一部実費負担をお願いする場合があります。また、選考時に決定した支援内容を超える追加解析が必要となった場合は、原則として支援依頼者の実費負担となります。
なお、DNAおよびRNAの調製は原則として支援依頼者側で実施して頂きますが、その後の配列解析のための前処理については、支援担当グループと協議して頂きます。支援依頼者側で実施する作業に関しては依頼者側での費用負担となります(原則としてkit等の送付も致しません)。
「Q34.申請にあたり、支援に必要な経費の上限はありますか?」もご参照ください。
Q15.支援の形態について教えてください。
支援活動は、科研費課題をより発展させるという目的のもと、支援依頼者と支援担当者の「共同作業」として進めるものであり、業者等への委託とは趣旨が異なることをご理解ください。協力が得られない場合は支援の実施が難しい場合があります。
高度かつチャレンジングな課題については、通常の支援よりも支援担当者の負担も大きいことから、基本的に支援担当者との「共同研究」として進めたいと考えます。論文発表の際には、その貢献の度合いにより、共著者とするなど適切な対応をお願いします。必要に応じ、事務局も交えて協議致します。
また、本支援活動では情報解析人材育成が特に重要視されています。情報解析は多大な手間がかかりますので、情報解析支援班メンバーによる支援は「共同研究」の形でお願いします。

申請方法、申請の流れについての質問

Q16.申請の方法を教えて下さい?
先進ゲノム支援HPで公募要項の「支援申請の流れ」をご覧ください。
https://www.genome-sci.jp/guidance#idflow

【初めて支援を申請される方】
 最初に研究者登録を行ってください。
 ログインIDとパスワードがメールで届きますので、インストラクションに従って申請システムにログインし、
 本人確認を行って下さい。
 ※注意:本人確認が72時間以内に完了しなければ同じメールアドレスでのユーザー登録申請を
 受け付けられなくなりますのでご注意ください。

【既に研究者登録がお済みの方】
 支援申請のページからログインして申請を行って下さい。
 ※研究者登録に追加項目がありますので、必ず最初に研究者情報の修正を行ってください。

Q17.依頼者側の機関事務局が関与する必要はありますか?
申請のとりまとめや実施受け入れなどで機関事務局が関与する必要はありません。この支援は、学術変革領域研究「先進ゲノム支援」としての活動です。したがって、形式的には科研費課題研究者間の共同研究や研究協力と同じレベルです。
支援課題として選定された場合、その実施方法については、個別に依頼者と支援グループで協議しながら進めます。支援の実施にあたっては知財等において何らかの契約事項が発生することはあるかもしれませんが、その場合は別途個別の協議の上進めます。
Q18.申請が完了しているかどうか心配です。どこから確認できるでしょうか。
ログインホームにあります「申請一覧」(支援申請の下部)をご確認ください。「申請状況」欄に「申請済み」と表示があれば申請は完了しています。なお、申請途中で一時保存をされた申請の場合は、システムの都合上、申請完了メールは送信されることなく、修正完了メールが送信される仕様となっています。
Q19.申請書をアップロードした後に修正は可能でしょうか?
申請締め切り期限(2024年5月14日正午)以前でしたら、申請書の修正は何度でも可能です。締め切り後は申請サイトを閉鎖して審査の作業に入りますので修正はできません。ご注意ください。
Q20.支援課題公募に関する説明会は開催されないのでしょうか?
2024年4月10日(水)13時よりオンラインにて公募説明会を開催致します。こちらより参加登録をお願い致します。
また、生命科学連携推進協議会および4プラットフォーム合同の成果シンポジウム(支援説明会+成果シンポジウム+技術紹介)も4月23日(火)に予定されています。詳細は生命科学連携推進協議会ホームページ(https://square.umin.ac.jp/platform/index.html)にてご確認ください。
Q21.事前に申請内容について相談することはどの程度可能でしょうか。
事前に申請内容についての相談は受け付けていません。
審査委員会によって選定された採択候補課題についてはヒアリングを実施しますので、そこで経費上限に収まる範囲内での具体的な支援内容を相談の上決定することとなります。なお、目的と照らし合わせ別アプローチ・条件等を提案する場合もあります。
なお、採択に至らなかった課題に対しては、毎年度秋頃、技術コンサルティングを実施しアドバイスを行っています。
Q22.審査の過程でヒアリングがあるそうですが、その内容を教えて下さい。
ヒアリングはオンライン形式(zoom)、日程は 2024年7月中旬を予定しています。
公募締め切り後、審査委員会によって選定された候補課題について、支援実施担当者が、支援内容の詳細の聞き取りと協議を行います。これをヒアリングと呼んでいます。
ヒアリングは支援の実務担当者と対面方式で行い、支援側から質問する形式で行いますので、プレゼンテーションの必要はありません。質問は、申請書だけでは判断できない内容(申請者のサンプルの準備状況、提供時期、支援内容の詳細と技術的実現可能性、経費見積もりの確認)など、技術的な点が主になります。
候補課題選定とヒアリングの日時の連絡は7月上旬頃になります。万一、申請者本人の都合がつかない場合は上記の点について責任持って回答できる共同研究者の代理出席をお願いいたします。支援課題の採択と具体的な支援の内容は、ヒアリングの結果を考慮の上、審査委員会で最終的に決定されます。
Q23.公募要項に「支援開始時にオリエンテーションを行う予定です。」とありますが、どのような内容ですか?
支援開始にあたり、サンプルの提出方法、その提出期限、ABSに関する考え方、倫理手続き、データベース登録、支援班員との連絡、成果報告義務など、支援に関する一連の流れを把握して頂くためのものです。申請者、あるいは申請者が出席できない場合は実務担当者の出席を必須と致します。

研究者登録についての質問

Q24.2021年度までの「先進ゲノム支援(第1期)」の申請で発効されたID、パスワードは、今回の「先進ゲノム支援(第2期)」のログインでも使えますか?
利便性を考え、2016~2021年度の「先進ゲノム支援(第1期)」申請で発行されたIDとパスワードは、2022年度以降の「第2期」も継続して使用する形としています。
なお、2015年度までの旧「ゲノム支援」でのアカウントは継続使用できません。
Q25.研究者登録をしても本人確認メールが届きません。
自動送信メールが迷惑メールフォルダに振り分けられていないかご確認ください。また、ご所属機関等のサーバーの設定によっては自動送信メールが拒絶される場合があります。メールが届かない場合は、お問い合わせフォームから事務局までお問い合わせください。
Q26.研究者登録をすることができません。
1研究者1ログインIDとしておりますので、同じ研究者番号で新たに研究者登録をすることはできません。ログインIDとしていたメールアドレスが受信不可能となり、パスワード再通知メールが受信できない場合は、①旧メールアドレス、②新規登録希望メールアドレス、③研究者番号の情報を添えて、お問い合わせフォームから事務局までお問い合わせください。
異動によりメールアドレス等が変更になった場合は、速やかに登録メールアドレスの更新をお願いします。(次回よりログインIDは更新されたアドレスに変更となります。)

申請入力についての質問

Q27.支援申請をしたいのですが、科研費種目欄に該当する選択肢がありません。
選択肢にない種目のかたは「その他の科研費」をお選びください。
Q28.「研究経費(直接経費、申請者への配分額)」の項目につきまして、繰越金が発生している場合はそれも合算して記載したほうがよいでしょうか?それとも2024年度当初交付予定の金額を記載すべきでしょうか?
合算は不要です。2024年度の交付金額を記入頂ければ結構です。
Q29.未発表のデータを申請書に盛り込みたいと考えております。キーとなる内容を伏せ字等にした方が良いでしょうか?あるいは申請書そのものは非公開でしょうか?
申請書は非公開となっており、審査委員には守秘義務を課しております。新規化合物名や遺伝子名を伏せ字にするかどうかは申請者のご判断になりますが、適正な審査のために計画の目的や意義が理解できるように、それら関連情報を可能な範囲で申請書内に記載してください。
Q30.哺乳類(ヒト、マウス以外)におけるde novoのゲノム解読支援を希望しています。近縁種のリファレンスの有無に関しては、どのぐらいの範囲で考えればよいでしょうか? 同属の生物のリファレンスゲノム配列は存在しませんが、科レベルであれば複数種において全ゲノムが公開されています。
最も近縁な種で明らかとなっている情報を記載いただきたいと思います。(ゲノムサイズ、ヘテロ接合度、異質倍数性の判断や、アノテーションをつける際に参考となるデータとなります。)
Q31.得られるデータの解析サポートもいただきたいのですが、変異解析等と情報解析をあわせて申請すればよいでしょうか?
web入力システムでは、各支援依頼項目について入力する画面で、サンプル数等の入力と併せて情報解析の希望の有無を回答する欄があります。ここで「情報解析支援を希望する」にチェックを入れて頂き、さらに具体的な情報解析支援希望内容を記載頂ければと思います。
別途「情報解析のみの支援」を申請する必要はありません。

支援(規模・期限・内容)についての質問

Q32.年度内での支援ということですが、支援の範囲内の解析がすべて年度内に完了させる必要があるという理解で正しいでしょうか?例えば、サンプルの提出からシーケンシングまでは年度内に終えたものの、その後の情報解析が翌年度に超えてしまう、といったケースは許容されますでしょうか?
シーケンシング支援については年度内締めとなりますので、サンプル提出期限を年内としています。
情報解析も基本年度内の支援となりますので、年度内に完了しなかった場合は翌年度に「情報解析のみ」として改めて申請をして頂くのが望ましい形です。ただし、公募要項にも記載の通り、情報解析支援については手間と時間がかかることから共同研究の形で進めて頂くこととしていますので、適宜、担当班員と協議の上方針を決めて頂くこととなります。
Q33.年に1回しか採集できない生物の、ある特定の時期の解析を希望する際など、サンプルを8月~12月中に準備するのが難しい場合、支援は厳しいでしょうか?例えばサンプル準備が1月や2月になってしまう可能性がある場合も厳しいでしょうか?
質問頂いたような特別の事情がある場合、申請書にもご事情の記載をお願いします。(サンプリング時期も含め、審査委員に採否のご判断を頂きます。)その上でいつまでに試料を準備できるかも併せて記載して下さい。
なお凍結保存サンプルからの調整についても、過去のご経験から凍結融解にどの程度耐えるか等情報を記載いただければと思います。詳細はヒアリング等で支援側とご相談いただきます。
Q34.申請にあたり、支援に必要な経費の上限はありますか?
申請においては特に上限は設けておりませんが、審査においては、限られた予算内でなるべく他の多くの研究を支援するために、支援の実施に必要な経費とそれによって期待される研究展開やインパクトを考慮して支援内容を決定します。その際、計画の縮小や変更をお願いすることがあります。
Q35.サンプル調製などについて、具体的なプロトコル等ご指導いただけますか?
詳細はヒアリング等で支援側とご相談いただきます。
空間的トランスクリプトーム解析に関しては、東大拠点の鈴木先生らが書籍(以下)を出版されており、また講習会なども検討されています。研究に適したサンプル調整を申請者の先生側で実践頂けるよう、それら情報等も是非ご活用下さい。
実験医学別冊 最強のステップUPシリーズ:空間オミクス解析スタートアップ実践ガイド(羊土社)

解析データ提供に要する時間についての質問

Q36.本年度採択された場合、データ産出にあたり学位審査の時期は考慮頂けますか?
データ産出時期について、学位論文発表等の時期は考慮いたしません。
Q37.すでにサンプルの準備はできています。シーケンスデータが得られるまではどれくらいの時間がかかるでしょうか?
支援は9月開始を予定しています。サンプル提出期限までに提出された課題については、技術的な難易度やデータ産生規模にも依存しますが、シーケンスデータは概ね1~2ヶ月程度を目処に返却する予定です。各支援拠点は高度な技術を駆使していること、多くの課題を担当していること、提出期限にサンプルの提出が集中すること、また必ずしもサンプル受付順に進むものではないことなどから、シーケンスデータ返却までに時間を要することがあります。大きく予定から遅れる場合は、個別にご連絡させて頂きますが、採択後の進捗については、支援依頼者側からも支援担当者に随時連絡を取って頂き、確認いただくようお願いします。
送付された試料が量的、質的に解析に不向きな場合には、中止、再調製等について支援担当グループと協議して頂きます。
なお、情報解析支援については長い期間を要する課題がほとんどです。Q15, Q38も参照してください。
Q38.新規ゲノム配列決定とアノテーションを依頼したいのですが、どれくらい時間がかかるものなのでしょうか。
まず、十分な量および品質のDNAサンプルの提供をお願いしておりますが、この段階でクリアに時間がかかっている場合も多いです(量・品質などに関しては、用いるプラットフォームに依存しますので、ヒアリング後に個別にお伝えしております)。その後シーケンスデータが産出(目安としてサンプル提出から数か月)され、ゲノムアセンブルの情報解析となります。
生物種にもよりますが、ゲノムアセンブル解析では計算機による計算時間のみならず、その後の各種チェック工程(人の目による確認作業などを含む場合もあります)を含むため膨大な時間と手間がかかります。また、申請書等であらかじめ教えていただいたゲノムサイズとの乖離が見られた場合など、データ量に不足があれば追加シーケンスとなる場合もあります。

参考例(アセンブラ毎の1回の計算時間例):
1.2Gb昆虫の場合:FALCON-unzip 93日、SmartDenovo 21日、Canu 68日など(1回の試行時間)
※実際は複数のアセンブラの試行ならびに、同じアセンブラでも実際にはパラメータを振りますので、計算だけでもこの何倍もの時間が必要です。また計算機の混雑状況にも依存します。

アノテーションは、ゲノム配列決定後、RNA-seqデータ(必要ですので、依頼者ご自身で用意されるか、申請時に合わせてシーケンス依頼をお願いします)や近縁種の配列データなどに基づき、その生物種に応じた解析を実施します。この工程にも数ヶ月は必ずかかります。
また、申請の際には、近縁種の情報など可能な限りの調査データを添えて頂くようお願いします。

倫理審査についての質問

Q39.既に倫理委員会承認済みの研究課題です。先進ゲノム支援の支援を受けるにあたり共同研究者の追加が必要ですが迅速審査で通ると思われます。このような場合は、現在ある倫理審査書類を提出すればよろしいでしょうか?
申請の際には現在承認済みの倫理審査書類をご提出下さい。
支援課題として採択された場合、先進ゲノム支援側で倫理審査書類を確認し、共同研究者の追加を含めた修正等を提案しますので、その後、所属機関の倫理委員会の承認を取っていただくことになります。
Q40.倫理審査委員会に申請を予定している場合、説明同意文書に共同研究機関として先進ゲノム支援の研究機関を記入しなくてはなりませんが、先進ゲノム支援に携わっておられる研究者の方を直接存じ上げません。この場合はどう記入すればよいのでしようか?
説明同意文書には、 (共同研究機関としての先進ゲノム支援側の体制については、支援申請が採択された後に、具体的に記載)、と括弧書きで記入して下さい。
Q41.既に倫理委員会承認済みの研究課題で、大規模ゲノム再シーケンシングの支援を受けたいのですが、これまで得てきた説明書・同意書には、データの公開は含まれておらず、その同意を短期間に再度取るのは困難です。どうすれば良いでしょうか?
再同意いただくことが困難な場合は、オプトアウト(情報の通知または容易に知り得る状態に置き、拒否の機会を保障すること)など、ご所属機関の長が許可された方法にて、適切な同意を受けていただく必要があります。具体的な手続きについては倫理審査委員会の事務局にご確認いただき、ご対応ください。支援対象として採択された場合、データベースへの登録について適切な同意が得られた時点で支援を開始します。
なお、学術論文を投稿する際、論文の根拠となるデータを公的データベースヘ登録することが雑誌社から求められることが増えてきました。根拠データをデータベースへ登録すること、登録されたデータは民間企業における研究も含め国内外の様々な研究に利用される可能性があることは、あらかじめ説明文書に記載いただき、インフォームドコンセントを実施するようにして下さい。

ABSについての質問

Q42.解析試料が他国由来サンプルです。どうすればよいでしょうか。
解析試料が他国由来の場合、入手した国(提供国)の生物多様性条約及び名古屋議定書に基づく国内法令等に則って取得した試料である必要があります。大原則として条約発効日の1993年12月29日以前から、その試料の起源となる国(=提供国といいます)の国外で「研究」に利用されている場合、あるいは条約発効日前から「研究用」に日本に持ち込まれていたサンプルやその子孫の場合は対象になりませんが、それ以降のものは対応が必要です。この対応(ABS対応)が行われていない場合、論文発表やデータベース登録ができなくなる恐れがありますので、先進ゲノム支援での解析は行なえません。そのため、申請時には全てのサンプルの詳細を記載して頂きます。

なお、このABS対応が完了してなくても先進ゲノム支援への申請は可能ですが、支援対象として選定された場合は、原則としてABSへの対応が確認できた後に支援を開始することになります。

詳細は国立遺伝学研究所ABS学術対策チームのホームページ(https://idenshigen.jp/)を参照頂き、必要があれば事前に対策チームへご相談ください。
サイト内のABS関連情報のページもご確認ください。

Q43.外国由来試料であるかどうか分かりません。
申請システム内のABSに関する入力項目で、できる限り詳しい情報を入力してください。
実験モデル生物の場合は、大元になった系統名を記載してください(マウスC57BL/6J系統、シロイヌナズナCol-0系統、など)。なお、「日本で飼育されているから」はABSへの対応が不要な理由にはなりません。
サイト内のABS関連情報のページもご確認ください。
Q44.所属ラボで樹立した系統は日本由来ではないのでしょうか。
「ラボで樹立した株だから」という理由はABS対応が不要な理由にはなりません。その株がどこで樹立されたのかではなく、その株を樹立するにあたり用いられた大元の系統、かけ合わせた系統などが外国由来でないかを確認する必要があります。

支援成果の発表についての質問

Q45.先進ゲノム支援の支援を受けていることを論文の謝辞にはどの様に記載すればよいでしょうか?
論文発表に際しては、「先進ゲノム支援」の支援を受けていることを記載してください。
This work was supported by JSPS KAKENHI Grant Number JP22H04925(PAGS).
なお、2016~2021年度の「先進ゲノム支援(第1期)」の成果の場合はJP16H06279(PAGS)、2015年度までの旧「ゲノム支援」の成果の場合は221S0002を記載してください。
「(PAGS)」の記載も必要です。
詳細は「成果発表について(支援依頼者のかたへ) 」をご確認ください。
また、「Q15.支援の形態について教えてください。」もご参照ください。
Q46.支援内容を含む論文のプレスリリースを行う予定ですが、なにか手続きの必要はありますか?
プレスリリース資料には科研費や他の助成等と同様に「先進ゲノム支援(PAGS)による支援を受けた」旨の記載をお願いしています。また、プレスリリースがあった場合には先進ゲノム支援HPのほうでも告知掲載しますので、支援依頼者マイページからURLも併せて事務局までご連絡下さい。