「先進ゲノム支援」に申請する際のポイント

審査委員会でよく指摘される申請の不備・問題点をまとめています。
申請の際ご参照ください。

支援希望内容が、基盤となる科研費課題から離れすぎていないか?
支援課題は必ず科研費課題に基づく必要があります。科研費課題から大きく逸脱する課題は支援する事ができません。

例:科研費課題の研究が「新たに単離した細菌のゲノム解読を基盤とした研究」であるにも関わらず、支援課題として「真核細胞のChIP-seq&RNA-seqによるエンハンサー解析」という場合は支援を受ける事が困難だと思われます。

科研費課題内で計画していた解析をそのまま支援希望としていないか?
科研費課題内で計画していた解析そのものを支援する事はできません。

例:科研費課題では、マウスのRNA-seqを20サンプル解析する計画だったが、そのうち10サンプルは自分で、残りの10サンプルを先進ゲノム支援で解析してほしい。

科研費課題の計画そのものであり、経費が二重になりますので、支援する事はできません。科研費課題を発展させる課題の申請をお願いします(次項参照)。

科研費課題を発展させる支援課題となっているか?
科研費課題そのものや科研費課題の単なる拡大ではなく、科研費課題を発展させる支援課題の申請をお願いします。

例:科研費課題では、マウスのRNA-seqを20サンプル解析する計画だったが、新たに10サンプルを先進ゲノム支援で解析してほしい。

単に解析サンプル数を増やす、というのは科研費課題の拡大と考えられます。このような場合は、追加10サンプルの支援を得る事で、得られたデータをどのように活用するのか、科学的にどのような発展が見込めるのか、を明確に記述して下さい。

例:科研費課題では、ある大型真核生物の新規遺伝子の機能に着目した研究であったが、その生物のゲノム情報が公開されていなかったので、研究のインパクトを上げるためにもゲノムを解読してしまいたい。

単にゲノムを解読する、ではなく、全ゲノム解読することで、それら情報をどのように活用し、科研費課題を発展させるのかを明確に記述して下さい。

支援課題解析時に重要となる基礎的な情報を記載しているか?
新規ゲノム解析など、対象とする生物種のゲノムサイズなどは、事前に解析し可能な限り具体的に記述するようにして下さい。どうしても不明の場合は、近縁種のゲノム情報で代替するなども検討して下さい。

希望するサンプル数やシーケンス量、ライブラリ種類など、参考となる論文を参照するなどして、可能な限りそれらの具体数を記述するようにして下さい。

事前の準備状況が明確に記述されているか?
サンプルは支援期間中に準備可能なのか、解析に資するサンプルは技術的に調整可能なのか、など事前の準備状況を明確に記述して下さい。

例:PacBioによる全ゲノム解読希望だが、高分子DNAはすでに抽出できている。
例:シングルセルRNA-seqを支援希望で、組織細胞のdisaggregation後ソーティング時の生細胞割合も50%を超えている事を確認済み。

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