[先進ゲノム支援成果公開]光合成を止(や)めた藻類の100年の謎解く全ゲノム解読に成功―「植物-(ひく)光合成=動物」ではない―

京都大学大学院農学研究科 神川龍馬准教授、筑波大学計算科学計算センター 中山卓郎助教、国立科学博物館動物研究部 谷藤吾朗研究主幹、国立遺伝学研究所 中村保一教授らの共同研究グループは、地球全体の光合成の約20%に貢献すると言われる珪藻の中で、光合成を止めた種の全ゲノム解読に成功しました。この種は光合成をしない代わりに環境中に溶存する栄養分を吸収して生育していますが、その詳細なメカニズムはわかっていませんでした。本研究では全ゲノム解読に加え、機能している遺伝子を網羅的に検出するトランスクリプトーム解析や生化学実験などを用いた多角的な研究により、本種が光合成を止めた後も葉緑体での物質生産を維持しつつ、周りの養分を効率よく獲得するための能力を増大させていることが明らかとなりました。本成果は、2022年4月29日 に米国の国際学術誌「Science Advances」にオンライン掲載されました。

プレスリリース: https://www.nig.ac.jp/nig/images/research_highlights/PR20220430.pdf

Ryoma Kamikawa, Takako Mochizuki, Mika Sakamoto, Yasuhiro Tanizawa, Takuro Nakayama, Ryo Onuma, Ugo Cenci, Daniel Moog, Samuel Speak, Krisztina Sarkozi, Andrew Toseland, Cock van Oosterhout, Kaori Oyama, Misako Kato, Keitaro Kume, Motoki Kayama, Tomonori Azuma, Ken-ichiro Ishii, Hideaki Miyashita, Bernard Henrissat, Vincent Lombard, Joe Win, Sophien Kamoun, Yuichiro Kashiyama, Shigeki Mayama, Shin-ya Miyagishima, Goro Tanifuji, Thomas Mock, Yasukazu Nakamura, Genome evolution of a non-parasitic secondary heterotroph, the diatom Nitzschia putrida, Science Advances (2022) 8, eabi5075 DOI:10.1126/sciadv.abi5075