[先進ゲノム支援成果公開]タマネギの品種育成の効率化に役立つ画期的なDNA多型分析手法を開発

農研機構をはじめとする共同研究グループは、タマネギにおいて、染色体全体のDNA多型を効率的に分析する方法の開発を目指しました。まず、タマネギにある8本の染色体について、各々に圴一に配置され、染色体全体をカバーしたDNAマーカーセットを作成しました。次に、次世代シーケンサーを利用し、これらのマーカーセットの全てのDNA多型を一度にまとめて分析する手法を試みました。その結果、染色体全体のDNA多型を効率的に分析することに成功しました。この分析手法で得られた個体間のDNA多型と形質を照らし合わせれば、DNAマーカーセットの中から目的の形質と関連したDNAマーカーを特定でき、選抜マーカーとして利用できるようになります。この技術は、タマネギでの選抜マーカーの開発を飛躍的に進め、育種の効率化および新品種の早期育成に貢献することが期待できます。本研究成果は、2022年8月26日に、国際学術誌「DNA Research」に掲載されました。

Daisuke Sekine, Satoshi Oku, Tsukasa Nunome, Hideki Hirakawa, Mai Tsujimura, Toru Terachi, Atsushi Toyoda, Masayoshi Shigyo, Shusei Sato, Hikaru Tsukazaki, Development of a genome-wide marker design workflow for onions and its application in target amplicon sequencing-based genotyping. DNA Research, Volume 29, Issue 5 (2022) DOI: https://doi.org/10.1093/dnares/dsac020
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