[先進ゲノム支援成果公開]発声学習バイアスの個体差に関わる神経細胞を発見~学習個体差を考慮した神経教育学の推進に期待~
北海道大学大学院理学研究院の和多和宏教授らの研究グループは、自然科学研究機構生命創成探究センター及び生理学研究所の郷 康広教授との共同研究として、歌鳥(鳴禽類スズメ目)で近縁種ではあるが異なった歌パターンをもつキンカチョウとカノコスズメを親として、その異種間交雑したハイブリッドのヒナの発声学習の個体差に着目した研究を行い、生得的な発声運動特性が個体ごとに異なり、それに基づいた発声学習バイアスを持つこと、脳内の興奮性投射神経細胞の遺伝子発現特性が、発声学習バイアスの個体差と機能相関を持つことを明らかにしました。
本研究成果は、2024年1月10日(水)公開のProceedings of the National Academy of Sciences誌(PNAS, 米国科学アカデミー紀要)に掲載されました。
プレスリリース: https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/240112_pr4.pdf
Noriyuki Toji, Azusa Sawai, Hongdi Wang, Yu Ji, Rintaro Sugioka, Yasuhiro Go, Kazuhiro Wada, A predisposed motor bias shapes individuality in vocal learning, Proc Natl Acad Sci U S A, 121(3): e2308837121 (2024) DOI: 10.1073/pnas.2308837121