[先進ゲノム支援成果公開]コウモリダコの巨大ゲノムの解読に成功~深海生物のゲノム多様性について新たな知見~

島根大学生物資源科学部の吉田真明教授(附属生物資源教育研究センター)は、ウィーン大学、和歌山工業高等専門学校、東京大学総合博物館、国立遺伝学研究所、情報システム研究機構との共同研究で、日本近海で得られたコウモリダコの全ゲノム配列を解読し、これまでに知られている動物で3番目に大きく、頭足類(イカとタコの仲間)では最大級の約12 Gbp (ギガ塩基対)の巨大ゲノムを持つことを明らかにしました。コウモリダコは中生代に繁栄した古いタコの系統の生き残りで、現在は深海に生息している希少な種類です。現代のイカとタコ類がどのように進化してきたかを調べるミッシングリンクを埋める研究成果です。
本共同研究は、2025年10月23日に英文論文誌iScienceにオンライン版が掲載されました。

プレスリリース:
https://www.shimane-u.ac.jp/docs/2025111800033/
https://www.wakayama-nct.ac.jp/cat_topics/12483/

Masa-aki Yoshida, Emese Tóth, Koto Kon-Nanjo, Tetsuo Kon, Kazuki Hirota, Atsushi Toyoda, Hidehiro Toh, Hideyuki Miyazawa, Makoto Terauchi, Hideki Noguchi, Davin H.E. Setiamarga, Oleg Simakov. Giant genome of the vampire squid reveals the derived state of modern octopod karyotypes. iScience, 113832(2025). DOI:10.1016/j.isci.2025.113832
プレスリリース一覧