[班員による成果公開]ゾウの腸内細菌がコーヒー豆を発酵し味を変える可能性

コーヒー豆は様々な加工方法が知られており、中には動物の腸管での発酵を経るコーヒーもあります。東京科学大学 生命理工学院の山田拓司准教授と千葉のどか研究員らの研究チームは、アジアゾウの腸内での発酵を経て生産されるコーヒー(ブラック・アイボリー)に注目し、その“作り手”である腸内細菌に焦点を当てました。そして、アジアゾウの腸内細菌がコーヒーの風味形成に関与している可能性を初めて明らかにしました。研究チームは、アジアゾウがコーヒーチェリーを食べた後のふんから腸内細菌を調べ、遺伝子解析を用いてそれらの働きを詳しく分析しました。その結果、アジアゾウの腸内細菌がコーヒー豆の外側の成分であるペクチンなどを分解することで苦味をやわらげ、まろやかな風味や独特の味わいを生み出す可能性が示されました。本研究は、動物の腸内微生物によって独特な風味が生まれる仕組みを明らかにするものであり、微生物学的な視点から食の多様性や風味形成のメカニズムを理解する新しい手がかりとなります。近年、腸内微生物が食品の味や香りに影響を与えることが明らかになり注目を集めています。今後は研究成果を食の豊かさへとつなげられるよう、より詳しい分子メカニズムに迫っていきたいと考えています。
本成果は、11月18日付(現地時間)の「Scientific Reports」誌に掲載されました。

プレスリリース:https://www.isct.ac.jp/ja/news/29vpx49wefch

Nodoka Chiba, Vachiranee Limviphuvadh, Chong Han Ng, Ryuto Koyagi, Yuta Kino, Yuya Nakamura, Takuji Yamada. Preliminary study of gut microbiome influence on black Ivory coffee fermentation in Asian elephants. Scientific Reports 15,(2025). DOI:10.1038/s41598-025-24196-0
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